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BppLOG

Berlin → Tokyo

skypeが生まれたエストニアのテックカンファレンスで感じたリモートワークの未来


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北欧のエストニアに行ってきました。
首都タリンのオールドタウンはまるでおとぎの国のような街並みです。

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エストニアはskypeが生まれた国であり、国民IDにブロックチェーンを導入するなど、IT先進国として近年注目を集めています。
そんなエストニアで5/31〜6/1の2日間開催されたテックカンファレンス「Latitude59」のレポートを会社ブログに書きました。
各セッションの詳細は会社ブログに書いていますが、特に印象に残っている、リモートワークの未来についてこちらのブログで書いてみます。

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スタートアップとしての働き方

セッションに登壇しているスタートアップのファウンダー達の話を聞いていて、
今後は間違いなく場所に囚われない、より自由なワークスタイルへシフトしていくのだろうなと感じました。
日本でも最近では在宅勤務やリモートワークを推奨する企業が増えてきています。

リクルート、在宅勤務を全社員対象に 上限日数なく :日本経済新聞
三菱UFJ銀が在宅勤務導入 主要行で初、時差出勤も :日本経済新聞
ユニリーバ・ジャパン、新人事制度「WAA」を導入 | ニュース&メディア | ユニリーバ・ジャパン

しかしながら、今回私が感じたのは、上記のような、在宅勤務の推奨をするようなものではなく(もちろん推奨はしていますが)、国境を超えて各々がいつでも・どこでも働きたい場所で働くようになるということ。
例えば、エストニアに本社はあるけど、チームメンバーはベルリン・東京・サンフランシスコにそれぞれいる、といった具合です。

スタートアップとしてのスタンス

パネルセッションの中で、「スタートアップを始めるにはどこが良いのか?」という議論がありました。
ファウンダー達の総意としては、「国や場所にこだわる必要は無い」でした。
シリコンバレーか否かという点は議論になりやすいのですが、ユニコーン企業(企業価値が10億ドルを超える企業)の40%はアメリカ以外から生まれています。
(とはいえ60%はアメリカから)
参考 The Speed of a Unicorn – Fleximize

個人的に一番印象に残っている発言は
githubにコミットできる場所ならどこでも起業できるよね!
です。

やはり、ビジネス面ではユーザーやクライアントのロケーションに多少は影響を受けるものの、エンジニアとしては、インターネットに繋がりさえすれば、どこでも起業/仕事が出来る時代になってきています。

「働きたい場所で働く」を推進するスタートアップ

エストニアのスタートアップを2つご紹介します。

Jobbatical

https://jobbatical.com/

世界中のスタートアップの現地オフィスで、短期間(最低1年)の仕事を探すことが出来ます。
CEOのKaroliは、「世界中をシリコンバレーにしたい」と語っていました。
シリコンバレーをシリコンバレー足らしめているのは優秀な人材であり、優秀な人材はシリコンバレーのみならず、ヨーロッパやアジアなど世界中にいます。
Jobbaticalのゴールは、世界中に次世代のシリコンバレーを構築する手助けをしていくこと。採用の意思決定から物理的なバイアスを取り除くことで、個々人のスキルの有無によって採用される世界が実現していくことなのだ、と説明してくれました。

彼女が起業に至った経緯として、休暇としてマレーシアに行った時、1週間ほどはビーチで楽しんでいたそうですが、手持ち無沙汰になってしまったそうです。
そこで現地で短期間の仕事が出来ないか探したものの、農業系の求人ばかりでITスキルを活かす仕事が見つからなかったそうです。その後、シリコンバレーを訪れる機会のあったそうで、今度は現地のスタートアップに直談判して6ヶ月間の働くチャンスを得ました。
この時の体験から、海外で生活しながら自分の得意分野の仕事をしたいというニーズがあるはずだと考え、さらにその仕事は個々人が探すのではなく、マーケットプレイスがあるべきだと考えて始めたそうです。

参考 世界40カ国のスタートアップの現地仕事とタレントを繋げる「Jobbatical」が200万ドルを資金調達 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)


Teleport - Move to your best place to live and work

https://teleport.org/

こちらは元skypeメンバーによるスタートアップ。
都市情報サイトであり、「新しい働き方」の支援ツールでもあります。
世界の110もの都市を以下のような様々な項目でスコア付けしておりユーザが自分の重視する項目を指定すると、その条件にマッチする都市を教えてくれます。
項目は、住宅コスト、給与、生活費、言語、気候、教育レベル、医療環境、VCの投資環境、税金、娯楽、自然環境、交通の利便性、インターネットアクセスなど。
Teleportのビジョンは「移住」をもっと簡単にすること。そして、人生設計におけるあらゆる選択肢と手段を提供することで、各国/各都市の行政が、一市民の獲得を競い合う世界を作り出していくこと、だそうです。

Teleportの社員たちも基本的にはリモートワークです。パロアルト、タリン、ミュンヘン、ベルン、コロンビア、イギリスなど様々。中には様々な国を転々としているエンジニアもいるそうです。


Teleportでは、この都市情報サービスに関連、派生するサービスがいくつもあります。

Teleport Directory - 移住に関する情報サイト
ビザの種類、求人や住宅検索サイト、引っ越し業者、旅行代理店、ワーキングスペース検索、言語をマスターする方法など、役に立つ情報が一覧から検索できます。

Teleport Runway - 法人向けの都市比較
スタートアップの従業員数、コスト、給料、資金等の情報を入力すると、今の都市から他の都市に移った場合にどれだけコストが削減できるかなど、拠点を移した場合のメリット・デメリットを教えてくれます。

Teleport Zen - 移住のチェックリスト
各都市の移住において、しなければいけないチェックリスト。家族構成、期間、目的といった情報を元に、個々人にカスタマイズされたチェックリストを提供してくれます。

Teleport Scout - 移住のサポート
さらに、チェックリストの中でわからない項目があった時には、例えば転職であれば人材エージェント、住居であれば不動産エージェント、携帯電話であれば携帯キャリアなどど各種の現地エージェントを紹介してくれます。

Teleport Sundial - リモートチームのミーティング調整
チームメンバーの場所や時間を管理し、全員同時に Skype やgoogleハングアウト などでの打ち合わせが可能な時間を教えてくれるツール。

Teleport Flock - リモートチームの移動マネジメント
普段はオンラインでやりとりしつつも、時として物理的に集うケースもあります。このツールは、各々のメンバーが現在滞在している場所を入力すると、価格と移動時間を計算して、最も集まりやすい都市を探してくれます。さらに、その都市で推薦するホテルも推薦してくれるため、移動を計画する際の手間がかなり省けます。

実際に使ってみると、メンバーが東京・ベルリン・ニューヨーク・シドニーに居た場合だと、最適な場所は北京らしいです。
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CEOのSilverは
「今の自分は本当に居るべき場所にいるのか?」
「今の自分はなすべきことをするのに適切な場所にいるのか?」
と自分自身に問いかけてみてほしい、と何度も言っていました。

想像以上に進んでいたリモートワーク

日本は、島国で日本語という環境のため、なかなかイメージしにくいですが、ヨーロッパでは、都道府県をまたぐ程度の軽い感覚で国境を越えています。

さて、実際に、社員が働きやすい環境を作っていくことで、会社としての生産性が上がっていくのでしょうか。
やはり対面でコミュニケーション出来た方がすぐに成果は出せます。圧倒的に効率も良いし、早いです。しかしながら、長期的に社員の幸せや働きやすさを考慮すると、自由に働ける環境というのは非常に重要になってくると思っています。

私がジョインしているスタートアップでは、ベルリンにいるイタリア人のメンバーはずっと家で仕事をしており、この3ヶ月でオフィスに来たのは2回だけです。今月は地元で大きなお祭りがあるらしく、一ヶ月ほどイタリアに戻って家族や友人と過ごしながら仕事をするらしいです。自由すぎます(笑)
しかしながら、ここまで自由に働けると楽しいですよね。もちろん成果は求められますし、メンバーとしてコミットするのは大前提です。

スタートアップに限らずとも、人材採用の競争は激しいため、今後はよりこのように自由なワークスタイルは加速していくはずです。そして、日本でもこのような流れが加速していけば、働き方の選択肢が増えて良いのではないでしょうか。リモートワークの話になると、セキュリティリスクの課題が大きくて、導入に至っていないというケースは多いと思います。
しかしながら、時代がリモートワーク前提となってくると、企業も必然的に対応せざるを得ない状況になってくるんじゃないかと思います。そしてTeleportのようなサービスを見ると、それが実現する日も近いと感じています。


カンファレンスの各セッションの詳細は会社ブログに書きましたので、よければご覧ください。
atl.recruit-tech.co.jp

未来型国家エストニアの挑戦  電子政府がひらく世界 (NextPublishing)

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