四角大輔さんと直島に行った夏の思い出



瀬戸芸、瀬戸内国際芸術祭の季節が今年もやってきた。
瀬戸芸は、美しい瀬戸内海の島々を舞台に3年に一度開催される現代アートの祭典。

今年の夏は行けそうにないけど、3年前の夏に行った時のことを思い出した。
学生だった私は岡山に住んでいて、四角大輔さんと直島に行く機会があった。

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四角さんは、絢香・Superfly・平井堅・CHEMISTRYなどをプロデューサーとして手がけ、7度のミリオンヒット、20回のオリコン1位など数々の記録を創出した人だ。
そして、今はニュージーランドの美しい湖畔のそばで生活をされている。

四角さんと、私の友人と3人で直島に訪問し、
プロデューサーにとって大切なことは何かをずっと聞いていた。
その時の直島の旅を振り返ってみようと思う。

当日の朝、岡山の港からフェリーで直島に向かった。
天気も良く、風が心地よい夏だ。

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直島に到着。
瀬戸芸の看板と、美しい自然が出迎えてくれた。

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水が好きな四角さんはテンションがあがってしまって、写真を撮りまくっていた。

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直島の定番。
草間彌生さんがデザインした黄色のかぼちゃ。

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そして、ベネッセハウスミュージアムへ足を運んだ。

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ただ、残念なことに月曜日だったので地中美術館は閉まっていた。
残念だけど、この大自然を満喫できたから最高だね、なんて話をしつつ、古民家カフェ「中奥」でランチをすることにした。全員でオムライスを食べた。

プロデュースにとって大切なこと

ランチを食べながら「プロデュースで大切なことは何ですか?」と聞いてみた。
名だたるアーティスト達を無名の状態からプロデュースさせた秘訣は何であろうか。

四角さんは
プロデュースの根幹は対象となる人やモノを愛すること
と答えてくれた。

その時は、「なるほど、深い・・・」というなんとも浅い理解をしてしまっていた。
3年経って、改めて考えなおしてみて、その意味が少しわかったような気がする。

愛するといっても、親バカのように盲目的に愛するのではなく、アーティスト一人一人の長所や短所をしっかりと理解した上で、どのように育てていくことが最適なのかを客観的に考える冷静な愛情を持つことなのかなと。

人の人生と同じで、10組のアーティストがいたら10通りのプロデュース方法がある、とおっしゃっていた。それを見つけ出すことが全てなのだ、と。
新しいアーティストをプロデュースする度、過去の成功体験を全てリセットして、必ずゼロの状態から向き合う。
どんな人生を歩んできたか、伝えようとしているメッセージは何か、その背景には何があるのか、といったその人の内面性に加え、表情、やファッションセンスなどの外面性も把握する。
そうすると、自然とそのアーティストに適したプロデュース方法が見えてくるのだとか。

名曲は、誰か一人のために歌っている」という一言も印象的だった。

これはすごいわかる。音楽に限らずwebのプロダクトも全くもって同じである。
そういえばこんなツイートもあったことを思い出した。

誰かのために、じゃ刺さらない。
たった一人、この人のために、が共感を生む。

THE 虎舞竜の「ロード」は、恋人を突然の交通事故で失った男性ファンのために作った曲だ。
ドリカムの「AND I LOVE YOU」という曲は、当時33歳という若さで亡くなった吉田美和さんの夫に捧げた曲だ。
KOKIAの「ありがとう」は、亡くなった彼女のペットのために作った曲だ。

受け取った側が「これって私のこと?!」そう思えるかどうかだ。
恋愛の名曲では、個人の経験がベースになっていることが多いのはこういうことだ。
同じ体験をした人が多いからヒットにつながっている。

webサービスを作る時に、たった一人の誰かが明確に見えている時は強い。
ペルソナを立てるのも大事だけど、実際にはそんな人はいないパターンもあったりする。

当たり前だけど、忘れてしまいがちだから心に留めておきたい。

四角さん、あの時はありがとうございました。


嗚呼、もう一度直島に行こう。


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